櫻井よしこ『日本人の美徳』ご紹介

■『日本人の美徳』ご紹介

櫻井よしこさんの、『日本人の美徳』という新書本を読みました。

「誇りある日本人になろう」

そんなサブタイトルで、櫻井よしこさんは呼びかけています。
文字も大きく、とても読みやすいですが、内容は濃い。
昔ながらの日本人の生き方の素晴らしさ、美徳の数々を見直すこと。

「節度と慎ましさ」「恥を名誉とする美徳」

これら日本人の美徳は、外国人の驚きや賞賛の的だったのです。
櫻井さんは子供の頃から、お茶・お花のお稽古をされていました。
若いころは、その素晴らしさが分からなかったそうです。
ハワイ大学に留学した時も、裏千家でお茶のお稽古を続けました。
そしてある時、

「お釜でたぎるお湯の音を聞いていたら、本当にフッと、
 あの南国のハワイにいながら、深山幽谷に踏み入って、
 松林を風が吹き通っていく、
 その音を聴いているような感覚を覚えたのです。」


この頃を境に、お稽古に熱心になったそうです。
日本人の美徳って、こういう感性なんですよね。
「侘び・寂び」というか、情緒というか。
日本人独特の美意識は、日本が世界に誇れるものだと思います。

「自宅のささやかな庭に、早朝から小鳥たちが飛んできます。
 柿や娑羅双樹の、すっかり葉を落とした裸の枝の先に、
 林檎や蜜柑の果実を刺しておくのです。」

「白い萩の花を植えていた鉢が、
 いつの間にか水掃けが悪くなり、
 小さな水溜まりを作るようになりました。
 四十雀がそこで水浴びをするようになったのです。
 そして今日のことでした。
 その小さな水溜まりで、目白が水浴びをしているのです。
 幾度かそうして水飛沫を浴び、
 あっという間に飛び去りました。」


自然を畏怖し、そこかしこに神が宿ると感じていた先人達。
花鳥風月を愛でる、その繊細さ。
櫻井よしこさんの「日本人の美徳」とは、日々の生活の中にこそあるのでしょう。

桃2.jpg

桃.jpg  花鳥風月.jpg
 

櫻井よしこ『日本人の美徳』聖徳太子@

■歴史の中の日本人

櫻井よしこさんの『日本人の美徳』という本では、
個人的なお考えから、日本人が忘れつつあることや、
大人が子供に伝えるべきこと、読書について、仕事についてなど、
さまざまなテーマについて、述べられています。

しかし、日本人を歴史の中から見るという観点は、
歴史好き女子にとって、興味を惹くものでした。
中でも、最も古い史実による大和朝廷の頃。
つまり聖徳太子の存在が、日本人の気質にいかに影響しているかを、
櫻井よしこさんは、力説しておられます。

■聖徳太子に見る日本人気質の原型

「何ゆえに彼が語り継がれてきたか。
 それは、太子が行なったとされる政治や統治が、
 進取の気性に満ちていて、
 寛容の精神と人間的な愛という、
 日本人の性質にぴったりと
 寄り添うものだったからだと思います。」

「聖徳太子という人物が本当に存在したか
 どうかについては論争がありますが、
 聖徳太子という人物がいて、
 彼が仏教を受け入れ、
 古来の神々も大事にしました −
 ということが、
 物語として今まで語り継がれてきたこと自体、
 日本人にとってはそれが正しく、
 大事なことであったことを示しています。
 つまり、日本人の価値観を表しているのです。」


■外交政策でも聖徳太子に学ぶ

「日本にとって、もう一つの大事な課題だった外交では、
 隋、つまり、中国との関係をどうするかが、
 問題でした。」

「その隋とどのように外交関係を結んでいくか。
 隋は日本を属国にしたがるけれど、
 聖徳太子は少なくとも日本と隋は対等であるべきであり、
 対等にしなければならないと考えていたはずです。」


聖徳太子の時代も現代も、状況は似ています。
日本は、対中関係に苦慮していたんですね。
中国には、「中華思想」という考え方がありますから。

「日出づる処の天子、
 書を日没する処の天子に致す恙無(つつがな)きや」

          (「隋書倭国伝」より)

小野妹子ら、第二回遣隋使が国書を皇帝煬帝に奉呈しました。
天子という言葉は皇帝と同格だったので、煬帝を怒らせましたが、
隋は高句麗との戦いが迫っているときであり、
倭国を敵に回しては損であると判断したのです。

「その頃合いを見て、聖徳太子が再び手紙を出しました。
 本当に外交上手だと思います。
 しかも、二回目の手紙では、煬帝のメンツをつぶしてしまった
 「天子」という言葉を使わず、
 「東の天皇、謹みて、西の皇帝に申す」と書き、
 天皇という新しい称号を作ったのです。」


倭国との外交を結ぶことにした煬帝は、翌年裴世清を使者として送り、
隋は倭国と対等な関係を築いたのです。
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